永住許可申請の必要書類|取得先と在留資格による違い

前回の記事では、永住申請が書類で要件を示す手続きであることと、書類の役割を整理しました。今回はその一つずつを、どこで取るのか、何年分必要なのかまで具体的に見ていきます。

目次

この記事でわかること

  • 永住申請の必要書類が、どの要件を示すために求められているのか
  • それぞれの書類を、どこで取るのか
  • 在留資格によって、必要書類がどう変わるのか
  • 書類を集めるときに、先に知っておきたい共通ルール

この記事は、出入国在留管理庁が公表している永住許可申請の案内ページと、「永住許可に関するガイドライン」(令和8年2月24日改訂)をもとに整理しています。提出書類は在留資格や個別の状況によって異なり、審査の過程でここに記載のない資料を求められる場合もあります。申請の際は必ず最新の公式情報をご確認ください。

なお、この記事は現在の提出書類をもとに説明しています。2026年8月4日に永住許可ガイドラインの改定案が公表されていますが、まだ確定した基準ではありません。今後、必要書類が変更される可能性があります。

なお、この記事では、日本人・永住者・特別永住者の配偶者や実子の方と、就労関係の在留資格(技術・人文知識・国際業務、技能など)や家族滞在の方の2つを中心に扱います。その他の在留資格の方については、入管のサイトに別のページが用意されています。

共通のルール

個別の書類に入る前に、全体にかかるルールを押さえておくと、集める順番を決めやすくなります。

  • 日本で発行される証明書は、すべて発行日から3か月以内のものを提出します
  • 提出書類が外国語で作成されている場合は、日本語の訳文を添付します
  • 原則として、提出した資料は返却されません。再入手が難しい原本の返却を希望する場合は、申請時に申し出ることとされています
  • 住民票は、マイナンバーは省略し、それ以外の事項は省略のないものを取ります
  • 年金や医療保険の資料を提出する際は、基礎年金番号・保険者番号・被保険者等記号番号を復元できない状態にします(黒塗りなど)
  • 申請書・身元保証書・了解書は、入管のページからダウンロードできるほか、地方出入国在留管理局にも用紙があります

証明書の有効期間が3か月であることは、段取りに直結します。役所や税務署の証明書を先に取りすぎると、他の準備が終わる前に期限が来てしまいます。

申請の基本となる書類

まず、誰が申請しているのかを示す部分です。

永住許可申請書 入管のページからPDFとExcelでダウンロードできます。記載例も公開されています。

写真(縦4cm×横3cm)1枚 指定の規格を満たしたものを申請書に添付します。在留カードの交付の日において年齢が1歳に満たない方は、提出が不要とされています。この取扱いは最近変更されているため、お子さまの申請では、申請時に最新の案内をご確認ください。

身分関係を証明する資料 日本人の配偶者の場合は、配偶者の方の戸籍謄本(全部事項証明書)と、国籍国の機関が発行した婚姻証明書。日本人の子の場合は、日本人親の戸籍謄本。永住者・特別永住者の配偶者や子の場合は、婚姻証明書や出生証明書など、身分関係を証明するものです。

家族滞在の在留資格の方も、戸籍謄本・出生証明書・婚姻証明書・認知届の記載事項証明書などのいずれかが必要とされています。

申請人を含む家族全員(世帯)の住民票 1通

パスポート(旅券)または在留資格証明書、在留カード いずれも提示です。提出ではありません。提示できない場合は、その理由を記載した理由書を提出することとされています。

在留カードとパスポートは、在留年数(原則10年、うち就労資格等で5年)と、在留期間(最長の在留期間をもって在留していること)という2つの要件を確認する材料にもなります。

生計の安定を示す書類

「独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること」に対応する部分です。

職業を証明する資料

状況提出するものどこで
会社等に勤務している在職証明書勤務先
自営業等である確定申告書控えの写し、営業許可書の写し(ある場合)手元・自分で用意
その他職業に係る説明書(書式自由)とその立証資料自分で作成

自営業の方については、自ら職業等について立証していただく必要があります、と明記されています。また、申請人と配偶者の両方が無職の場合も、その旨を説明書に記載して提出することとされています。

資産を証明する資料 預貯金通帳の写し、不動産の登記事項証明書など。登記事項証明書は法務局のホームページからオンラインで交付請求できます。

就労関係の在留資格や家族滞在の方の場合、この資産の証明は独立した項目として挙げられています。配偶者や実子の方の場合は、所得を証明する資料の中に預貯金通帳の写しが含まれる形になっています。

なお、収入の水準そのものは、次に出てくる住民税の課税証明書によって示されます。

公的義務の履行を示す書類

ここが最も分量が多く、準備に時間がかかる部分です。「素行が善良であること」と「国益に合すること(公的義務の履行)」の両方を支えています。

住民税

課税(または非課税)証明書・納税証明書 市区町村から発行されます。1年間の総所得と納税状況の両方が記載されている証明書であれば、どちらか一方でかまいません。これらが示すのは、いくら所得があり、未納がないかという点です。

対象期間は在留資格によって変わります。

  • 日本人・永住者・特別永住者の配偶者:直近3年分
  • 日本人・永住者・特別永住者の子として申請する場合:直近1年分
  • 就労関係の在留資格・家族滞在:直近5年分

市区町村で該当年数分の証明書が発行されない場合は、発行される最長期間分を提出します。

適正な時期に納めていることを証明する資料(通帳の写し、領収証書等) これは前回の記事で触れた、役割の違う書類です。入管のページには、遅延納付(納付期限後の納付)がないことを証明するために提出していただくものであり、領収証書等については必要な年数分を保管しておいてください、と書かれています。

対象期間のすべてで住民税が特別徴収(給与から天引き)されている方は、この資料は不要です。特別徴収されていない期間がある方は、その期間分を提出します。

Web通帳の画面の写しでも差し支えないとされていますが、加工できない状態で印刷されたものに限られ、Excelファイル等は認められません。

国税

納税証明書(その3) 住所地を管轄する税務署から発行されます。証明日の時点で対象となる国税に未納がないことを確認する書類であり、過去に期限内に納めたかどうかを証明するものではありません。対象期間の指定は不要です。

対象となるのは次の5税目で、すべてについて提出することとされています。

  • 源泉所得税及び復興特別所得税
  • 申告所得税及び復興特別所得税
  • 消費税及び地方消費税
  • 相続税
  • 贈与税

実際にその税金を納めたことがない方も、指定された税目について未納がないことを示す証明書を請求します。 相続税や贈与税に心当たりがないから不要、という扱いにはなりません。

国税庁のホームページには、永住許可申請のための納税証明書の請求手続について案内するページがあります。

公的年金(直近2年分)

年金事務所が発行する「被保険者記録照会回答票」「被保険者記録照会(納付Ⅰ)」「被保険者記録照会(納付Ⅱ)」が挙げられています。最寄りの年金事務所の窓口または電話で問い合わせます。

このほか、次の資料を提出することも可能とされています。

  • ねんきん定期便(全期間の年金記録情報が表示されているもの)。毎年届くハガキ形式のものは全期間が確認できないため使えません。封書形式のものを日本年金機構に交付申請する場合、申請から交付まで2か月程度かかります
  • ねんきんネットの「各月の年金記録」の印刷画面。直近2年間に国民年金の被保険者であった期間がある方は、「国民年金の年金記録(各月の納付状況)」の印刷画面も併せて提出します。なお、ねんきんネットは日本語のみの対応です
  • 国民年金保険料領収証書(写し)。こちらも、納付期限後の納付がないことを証明するためのものです。直近2年間に国民年金に加入していた期間がある方は、その期間分をすべて提出します。提出が困難な場合は、その理由を記載した理由書を提出することとされています

厚生年金など国民年金以外に加入している方は、ねんきん定期便かねんきんネットの資料を提出します。直近2年間に国民年金の期間がある方は、それに加えて領収証書も必要になります。

ねんきん定期便の交付申請に2か月かかるという点は、申請時期を考えるうえで見落としやすいところです。

公的医療保険(直近2年分)

加入している制度に応じて、次の資料を提出します。

  • 世帯全員分の健康保険被保険者証(写し)。直近2年間すべての期間で健康保険に加入している方は、以下の国民健康保険関係の資料は不要です
  • 世帯全員分の国民健康保険被保険者証(写し)
  • 国民健康保険料(税)納付証明書
  • 国民健康保険料(税)領収証書(写し)。こちらも遅延納付がないことを証明するためのもので、該当期間分をすべて提出します

令和6年12月2日以降、現行の健康保険証は新たに発行されなくなっています。お手元の健康保険証の有効期限が切れた場合や、転職・転居などで保険者が変わった場合は、次の資料を提出します。

  • マイナ保険証を持っている方:マイナポータルの健康保険証情報に記載の「資格取得年月日」が確認できる画面の写し(3か月以内のもの)
  • マイナ保険証を持っていない方:資格確認証(写し)

社会保険適用事業所の事業主である場合

申請時に社会保険適用事業所の事業主である方は、上記に加えて、事業所における保険料の資料が必要です。健康保険・厚生年金保険料領収証書(写し)か、日本年金機構が発行する社会保険料納入証明書または社会保険料納入確認(申請)書のいずれかを提出します。

申請に伴う定型の書類

身元保証書 1通 入管のページからダウンロードできます。日本語版と英語版があります。あわせて、身元保証人の身分事項を明らかにする書類(運転免許証の写しなど)を提出します。

了解書 1通 2021年10月1日から、永住許可申請には了解書の提出が必要になりました。やさしい日本語版のほか、英語・中国語・韓国語・フランス語・ポルトガル語・スペイン語・タガログ語・ベトナム語・ネパール語・タイ語の各版が公開されています。

内容は、申請してから審査結果を受け取るまでの間に次のような変更が生じた場合、速やかに申請先の地方出入国在留管理局へ連絡することを了解する、というものです。

  • 就労状況の変更(退職、転職など)
  • 家族状況の変更(離婚、同居していた家族との別居、新たに誰かと同居することになった場合など)
  • 税金、年金保険料および医療保険料の納付状況について、申請時点から変更が生じた場合(滞納した場合など)
  • 生活保護等の公的扶助を受けることとなった場合
  • 刑罰法令違反により刑が確定した場合

そして注記として、事情の変更を連絡しないまま永住許可を受けたことが判明した場合、その永住許可が取り消されることがあると書かれています。

申請書を出したら終わり、ではないということです。審査には時間がかかりますので、その間に転職や引っ越しの予定がある方は、この点を意識しておく必要があります。

親族一覧表 「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」の在留資格である場合に提出します(実子または特別養子を除く)。

理由書 1通 就労関係の在留資格や家族滞在の方に求められます。永住許可を必要とする理由について、自由な形式で書くこととされています。日本語以外で記載する場合は翻訳文が必要です。

我が国への貢献に係る資料 表彰状・感謝状・叙勲書等の写し、所属会社や大学・団体の代表者等が作成した推薦状など。ある場合のみで結構です、とされています。

2種類のチェックシート 在留資格ごとの提出書類チェックシートと、要件該当性を確認する永住許可申請セルフチェックシートが公開されています。セルフチェックシートは、審査を円滑に行う観点から、書類と合わせて提出するよう求められています。

在留資格によって、ここが変わります

主な違いを一覧にすると次のとおりです。

項目日本人・永住者・特別永住者の配偶者/実子就労関係の在留資格・家族滞在
所得・納税の対象期間配偶者は3年分、子として申請する場合は1年分5年分
年金・医療保険の対象期間2年分(子として申請する場合は1年分)2年分
理由書提出書類の一覧に含まれていません必要(自由な形式)
資産を証明する資料所得を証明する資料の中で扱われます独立した項目
親族一覧表必要(配偶者等の場合。実子・特別養子を除く)記載がありません
我が国への貢献に係る資料記載がありませんある場合のみ
身元保証人配偶者の場合は、通常、配偶者の方になっていただくとされていますその案内はありません

所得・納税の対象期間が3年と5年で違う点は、必要な書類の量や準備期間に影響します。就労関係の在留資格の方は、5年分の課税証明書と、その間の納付時期を示す資料が必要になります。

なお、身元保証人について「通常、配偶者の方になっていただきます」という案内があるのは、配偶者の方の場合です。実子等の場合や就労関係の在留資格の場合には、この案内がありません。誰に依頼するかは、個別に確認することになります。

どこに取りに行くかで整理すると

同じ場所で取れるものをまとめておくと、何度も足を運ばなくてよくなります。

取りに行く先主な書類
市区町村役場住民票、住民税の課税(非課税)証明書・納税証明書、国民健康保険料(税)納付証明書、(日本人配偶者の場合)戸籍謄本
税務署国税の納税証明書(その3)5税目
年金事務所被保険者記録照会回答票、被保険者記録照会(納付Ⅰ・Ⅱ)
勤務先在職証明書
法務局不動産の登記事項証明書(オンライン請求可)
入管のサイト申請書、身元保証書、了解書、親族一覧表、各チェックシート
本国の機関婚姻証明書、出生証明書など(訳文が必要)
自宅の保管分住民税・国民年金・国民健康保険の領収証書、預貯金通帳

役所や勤務先から取るものは、通常は各機関に請求して取得できます。本国の機関から取り寄せる書類は、時間がかかることがあります。そして領収証書は、紛失すると、納付時期を示す代替資料の準備が難しい場合があります。

まとめ

永住申請の必要書類は数が多いですが、性質で分けると見通しが立ちます。

役所や勤務先から取ってくるものが大半で、これは請求と時間の問題です。次に、納めた時期を示す領収証書や通帳があり、これは保管していたかどうかの問題です。そして最後に、自分で内容を考える書類があります。

在留資格によって変わるのは、主に対象期間と、理由書の要否です。ご自身がどちらに当てはまるかを最初に確認しておくと、集める量の見当がつきます。

次回は、この中で最も手が止まりやすい2つ、理由書と身元保証人について取り上げます。書式は用意されているのに、何を書くか、誰に頼むかで悩む部分です。

必要書類について、英語でもご相談いただけます。 ご自身の在留資格でどこまで必要になるかは、無料相談でお尋ねください。

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この記事について

対象読者:この記事は、日本人・永住者・特別永住者の配偶者や実子の方、および就労関係の在留資格や家族滞在の方が、永住申請の必要書類を把握するための概要記事です。定住者、高度専門職、特別高度人材、我が国への貢献が認められる方、難民の認定を受けた方などについては、入管のサイトに別のページがあり、取扱いも異なります。

免責事項

本記事は、永住許可申請の必要書類に関する一般的な情報を整理したものであり、個別の許可・不許可を保証するものではありません。提出書類や運用は変更される可能性があり、審査の過程でここに記載のない資料を求められる場合もあります。また、提出書類が揃っていない申請は、審査が大幅に遅れるほか、不許可などにつながる可能性があるとされています。2026年8月4日に公表されたガイドライン改定案の内容は、この記事には反映していません。申請をご検討の際は、必ず最新の公式情報をご確認いただくか、専門家にご相談ください。

参考情報

最終更新日:2026年8月11日(掲載時点の情報に基づいています)

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