高度人材ポイントによる永住の特例|3年・1年ルート

永住許可は、原則として10年の在留が必要です。ただし高度専門職のポイントが70点以上あれば3年、80点以上なら1年に短縮されます。

見落とされやすいのは、短くなるのは在留年数だけではないということです。税金や社会保険の納付記録を確認される期間も、あわせて短くなります。

目次

この記事でわかること

  • 高度人材のポイントで、永住の在留年数が3年または1年になること
  • 高度専門職の在留資格を持っていなくても、このルートが使えること
  • 住民税の確認期間が5年から3年、または1年に短くなること
  • 3年前(80点なら1年前)から継続して点数を満たしている必要があること
  • 2026年10月のガイドライン改定で、何が変わり、何が変わらないか

この記事は、出入国在留管理庁が公表している「永住許可に関するガイドライン」(令和8年10月1日改定)、永住許可申請の提出書類一覧表、およびセルフチェックシートをもとに整理しています。

高度専門職のポイント制とは

学歴、職歴、年収、年齢、日本語能力、研究実績などを点数化し、合計が一定点数に達した外国人を高度人材として扱う制度です。2012年に導入されました。

活動の内容に応じて3つの類型があります。

  • 高度専門職1号イ:研究・研究の指導・教育(学術研究活動)
  • 高度専門職1号ロ:自然科学または人文科学の知識・技術を要する業務(専門・技術活動)
  • 高度専門職1号ハ:事業の経営または管理(経営・管理活動)

技術職や専門職の方は、多くが1号ロに該当します。

計算表は出入国在留管理庁のサイトで公開されており、英語版もあります。自分で計算できます。

永住の在留年数が短くなります

ガイドラインでは、次のように定められています。この特例は、2026年10月1日の改定後も維持されています(第3の6・7・8)。

状況必要な在留年数
原則引き続き10年以上(うち就労資格等で5年以上)
70点以上3年以上継続して在留
80点以上1年以上継続して在留
特別高度人材1年以上継続して在留

10年が3年、あるいは1年になります。

高度専門職の在留資格がなくても使えます

ここは誤解されやすい部分です。

高度人材の特例を使うために、高度専門職の在留資格を取得している必要はありません。 技術・人文知識・国際業務などの在留資格のまま、ポイントが70点以上あればこのルートを使えます。

在留資格を変更する手続きは不要です。永住許可の申請において、ポイント計算表と疎明資料を提出することで、この特例を使うことになります。

ガイドラインでは、まず前提として現在のポイントが70点以上あることを求めたうえで、次のいずれかに該当することとしています(第3の6)。

(1)「高度人材外国人」として3年以上在留している

「高度人材外国人」として必要な点数を維持して、3年以上継続して在留していること。ガイドラインは「高度人材外国人」を、ポイント計算の結果70点以上の点数を有すると認められて在留している者、と定義しています。高度専門職の在留資格で在留している方が、これに当たります。

(2) 3年前の時点から継続して70点以上ある

申請日から3年前の時点を基準としてポイント計算を行った場合に70点以上を有していたことが認められ、3年以上継続して70点以上の点数を有し在留していること。

(2)は、在留資格を限定していません。 技術・人文知識・国際業務などの方は(2)で申請することになります。高度専門職の在留資格を持っていても、その在留が3年に満たない場合は、(2)で申請することが考えられます。

80点以上の特例(第3の7)も同じ構成で、「3年」が「1年」になります。

(2)で申請する場合、提出するポイント計算表は、申請時点と3年前(80点なら1年前)時点の2通です。途中の年の計算表は求められていません。ただし要件の文言は「継続して」なので、途中で点数を下回った時期がないかは確認しておく必要があります。

確認される過去も短くなります

ここは見落とされやすい部分です。

永住の審査では、税金や社会保険料を期限内に納めてきたかが確認されます。その確認対象となる期間も、ポイントによって変わります。

通常の就労資格70点以上80点以上・特別高度人材
在留年数10年(うち就労等5年)3年1年
住民税直近5年分直近3年分直近1年分
年金直近2年分直近2年分直近1年分
医療保険直近2年分直近2年分直近1年分

出入国在留管理庁のセルフチェックシートに、この短縮が明記されています。また、高度人材向けの提出書類一覧表には、就労関係の在留資格で在留している場合であっても直近3年分とする旨が書かれています。

この差は、過去に納付が遅れた時期がある方にとって大きな意味を持ちます。

永住のガイドラインには、申請時点で未納がなかったとしても、過去において適切に支払っていない状況が認められる場合は原則として消極的に評価される、と書かれています。つまり「後から払ったから大丈夫」とはなりません。

4年前に住民税を一度遅れて納めた、という方がいるとします。通常の就労資格なら直近5年分が確認されるので、その記録が対象に入ります。70点以上あれば直近3年分になるので、対象から外れます。

ポイントを計算してから申請の時期を考える意味は、ここにあります。

3年前の立証が、実務上の分かれ目です

(1)で申請する方、つまり高度専門職の在留資格で3年以上在留している方は、その在留資格が許可された時点で、入管がすでに70点以上と認めています。

そのため、過去の時点のポイントを改めて立証する必要はありません。 永住申請で提出するのは、申請時点のポイント計算表と、その疎明資料です。

ただし、現在の点数を示す疎明資料は必要です。 現在の年収、学歴、職歴などの資料は、これまでどおり提出します。

一方、(2)で申請する方は、過去の時点の点数を示す必要があります。

(1)で申請(2)で申請
ポイント計算表申請時点の1通申請時点と3年前(または1年前)時点の2通
疎明資料現在の点数分現在と過去の時点の点数分
過去の資料の取り寄せ不要必要

過去の時点のポイントは、現在のポイント計算表に基づいて計算することとされています。

そして、その点数を当時の資料で示す必要があります。3年前の年収を証明する資料、当時の職位を示す在職証明、学歴の証明などです。

年収は3年で変わります。 現在は余裕で70点を超えていても、3年前は届いていなかった、ということがあり得ます。逆に、資料さえ揃えば問題なく立証できる場合もあります。

このルートを検討する方は、まず過去の時点の資料が手元にあるか、会社から取得できるかを確認することから始めてください。

疎明資料は、全項目を出す必要はありません

ポイント計算表の疎明資料について、出入国在留管理庁は次のように案内しています。

ポイントの合計が70点以上あることを確認できる資料を提出すれば足り、該当する項目すべての疎明資料を提出する必要はありません。

これは実務上、意味のある記述です。どの項目を組み合わせて70点を構成するか、ある程度選べるということだからです。ある項目の資料が揃わなくても、別の項目で補える場合があります。

ポイントの確認方法

計算表は出入国在留管理庁のサイトで公開されています。活動類型ごとに3種類あり、日本語版と英語版があります。

主な加点項目は次のとおりです。

  • 学歴(博士・修士・専門職学位・大卒)
  • 職歴(従事した年数)
  • 年収(年齢との組み合わせ)
  • 年齢
  • 研究実績(特許、論文、研究費の受給など)
  • 資格(日本の国家資格、IT告示に定める試験)
  • 日本語能力(日本語能力試験N1相当、N2相当)
  • 日本の大学の卒業
  • 加点対象の大学の卒業
  • 所属機関がイノベーション促進の支援措置を受けている場合
  • 所属機関が中小企業である場合

見落とされやすいのが、大学に関する加点です。 日本の大学の卒業と、加点対象の大学の卒業は、それぞれ別の加点です。加点対象の大学の一覧には、日本の大学も海外の大学も多数含まれています。詳しくは日本の大学卒業者は高度人材ポイントで有利|あなたの大学は加点対象かをご覧ください。

ご自身で計算してみて70点に近い場合は、見落としている項目がないか確認する価値があります。

注意点

ポイント以外の要件は、そのまま残ります

高度人材のポイントが短くするのは、在留年数と確認期間です。素行が善良であること、独立の生計を営めること、公的義務を履行していることといった要件は、変わらず審査されます。

出入国在留管理庁が公開しているセルフチェックシートで、申請前に確認できます。1つでも該当しない項目があれば、不許可となる可能性が高いとされています。

ポイントの年収と、ガイドラインの世帯収入は別の基準です

2026年10月のガイドライン改定で、世帯年収が世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達しているかが、考慮要素として示されました。この基準は、2026年4月1日以降の申請にすでに適用されています。ポイントが足りていても、世帯収入の基準は別に見られます。具体的な金額は公表されていません。

在留期間の要件があります

現在の在留資格について、最長の在留期間をもって在留していることが求められます。ただし2027年3月31日までの申請では、在留期間「3年」でも要件を満たすものとして扱う経過措置があります。

2027年4月以降の申請では、日本語能力と出国期間の基準が加わります

改定後のガイドラインでは、日本語能力(B1相当)が考慮要素に加わります。ただし「第3の6から8における高度人材外国人」とその家族には求めないとされています。(2)で申請する方がこの除外に含まれるかは、ガイドラインの文言からははっきりしません。

また、過去10年以内に一回の出国で半年以上、または通算2年6か月以上日本を離れていた場合は、原則として消極的に評価されます。

詳しくは永住許可ガイドライン改定(2026年10月確定)|在留資格別の影響と申請時期をご覧ください。

まとめ

高度専門職のポイントが70点以上あれば、永住の在留年数が10年から3年になります。80点以上なら1年です。この特例は、2026年10月のガイドライン改定後も維持されています。

あわせて、住民税の確認期間が5年から3年、80点なら1年に短くなります。年金と医療保険も、80点なら1年になります。過去に納付が遅れた時期がある方にとっては、この差が結果を左右する場合があります。

高度専門職の在留資格を持っていなくても、このルートは使えます。その場合は、3年前(80点なら1年前)から継続して点数を満たしていることが要件で、過去の時点の点数は当時の資料で示す必要があります。

まずはご自身のポイントを計算してみてください。現在の点数だけでなく、70点なら3年前から、80点なら1年前から、継続して点数を満たしているかを確認することが、このルートを使えるかどうかの分かれ目になります。

ポイントの計算や、必要書類について、英語でもご相談いただけます。 ご自身がどのルートを使えるかは、無料相談でお尋ねください。

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この記事について

この記事は、高度専門職のポイントを用いた永住許可申請について整理した概要記事です。ポイントの計算や必要書類は、活動類型や個別の状況によって異なります。

免責事項

本記事は、永住許可申請に関する一般的な情報を整理したものであり、個別の許可・不許可を保証するものではありません。制度・ガイドライン・審査運用は変更される可能性があります。申請をご検討の際は、必ず最新の公式情報をご確認いただくか、専門家にご相談ください。

参考情報

最終更新日:2026年10月18日(ガイドラインの改定を反映。掲載時点の情報に基づいています)

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